2018年

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ガンマン大連合

メキシコ革命といえば、生き馬の目を抜きつ抜かれつの大変ハードな時代なのですが、そんな魔地メキシコで生き馬の目を規定量以上にくり抜き続ける本作の登場人物たちを紹介します。 まずはヨドラフ。この人はスウェーデンからはるばるやってきた武器商人で、メキシコに似合わない揃いスーツの伊達姿や「ペンギン」という愛称とは裏腹に、ひとたびガトリング砲を持てば全弾撃ちてし止まんという二面性を持った危険人物です。娼婦を […]

ヤクザと憲法

やくざを扱った映画ですが暴力的なシーンはほとんどなく、怖いというなら組長の年不相応な若々しさが一番怖いです。悪魔的に若い。怖い、怖いよ……。 かの名作『ゾンビ』ではゾンビという不死の怪物の生態と、彼らに対抗しつつ終末社会をしたたかかに生き抜く人間を描くことによって「人間はゾンビより怖い」「人間ほど怖いものはない」ことを観客に強く印象づけたわけですが、本作は西成ヤクザの生態と、彼らがなすすべもなく四 […]

豆狸

子犬サイズの大きさの化狸で、西国に多く現れたといわれます。 この妖怪の特殊能力は「変化」。スタンドでいうとイエローテンパランスみたいなもの。イエローテンパランスは実体化したスタンドを体にまとうことで様々なものに擬態を行うわけなんですが、豆狸の場合は自分のきんたまの袋を思いっきり引きのばして頭からかぶるという力技。きんたまぶくろをかぶって化けるっておまえ。ジャングルの王者ターちゃんやアホーガンでさえ […]

エクスクロス 魔境伝説

非常に面白いB級娯楽映画でした。僕はかつて深作健太監督をBENTA深作とかいって侮っていましたが(cf.『キルビル』のエンドクレジット)、こんなに上質なB級映画を作れる方とは知りませんでした。大変失礼しました。陳謝いたします。 上質B級映画を構成するのはたとえば、思わず失笑せざるを得ないような設定だったり、誰かに話さずにはいられなくなるようなシュールな画だったりと、それらはなかなか計算して作れるも […]

孕のジャン

横須賀に現れる元米兵のジゴロ。関係した女性を一発必中で孕ませ、結婚生活を夢みる妊婦をメリケンサックでぶっ飛ばしては出産費用を持ち逃げするという「関東ジゴロ四天王」の一角だぞ。やがて魁ジゴロ塾の塾生となり、「死豪露大四兇殺」ではその悪名を世に轟かせたんだ。必殺技は目にも止まらぬF・P・M・Fだぞ。 というような解説を、名前の語感からなんとなく想像した人もいるんじゃないかと思うけど、あのね、そんなわけ […]

カメラを止めるな!

僕は逆噴射総一郎先生のファンなので、彼が良いというものにはなるべく触れてみるようにしているのだけど(『RUINER』も良いというので買った)、その逆噴射先生の中の人が絶賛していたので観てきました。 序盤はかったるくてどうしようかと思ったけど、中盤以降はすごくよかったです。 出色はラストシーン。ここで爆笑していた観客もいたけれど、僕は感動して泣きそうになってしまいまして、どちらがどうというわけではな […]

縊鬼

麹町に屋敷を構える組頭の組内には芸達者な同心がいて、最近は細かすぎて伝わらないものまね芸で仲間内の好評を博しておりました。 ある春の日、組頭宅では同役の寄合があり、そして夕刻からは酒宴が予定されていました。 組頭は同心に「お前の『極端なほどさ行が言えない江戸っ子のものまね』は絶品なので、接待役として必ず参加するように」と申しつけていたにも関わらず、いつまでたっても姿を現さない。客も「今夜は細かすぎ […]

アックス・ジャイアント

バイオレンスジャックもビックリの超巨大斧を構えた巨人が山小屋を破壊したり斧技・マキ割りダイナミックで人間を真っ二つにしたりする映画です。斧好きにオススメ。 シーンによって巨人の大きさが違ったり、その巨人のサイズに合わせて斧や衣類のサイズも変わったりするという大豪院邪鬼システムを取り入れています。要するに整合性は二の次精神で頑張っており、この雑さは嫌いではありませんでした。 みうらじゅんといとうせい […]

石妖

昔むかし、伊豆山中での出来事じゃったと。 山奥で数人の石工が石の切り出し作業を行っていました。昼下がりの休憩時、缶コーヒーのジョージアを飲みながらだべっていると、どこからともなく場違いな服装の女がやって来たので一同おおいに驚いた。やや垂れ目ながらも二重の大きな瞳、そしてボリューミーな唇にセミロングという石原さとみのような容貌の女は、男好きのしそうな舌足らずな声で「てか、マッサージにきたんですけどー […]

門付! ぐるぐる港区

門付の旅より帰ってまいりました。 いつもは東北や裏日本を中心に漂泊する我ら世間師一家ですが、東北や裏日本の寒村はどこも貧しいため貰える祝儀も少なく、新型iPadとApple Pencilを買うためにはもっと実入りの良いところを回らなければ、ということで東京23区平均年収ランキング第一位の港区を重点的に漂泊してきました。 しかし港区はだめですね。港区には人情というものがない。門付をしようにも、タワー […]

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