ガンマン大連合

ガンマン大連合

メキシコ革命といえば、生き馬の目を抜きつ抜かれつの大変ハードな時代なのですが、そんな魔地メキシコで生き馬の目を規定量以上にくり抜き続ける本作の登場人物たちを紹介します。

まずはヨドラフ。この人はスウェーデンからはるばるやってきた武器商人で、メキシコに似合わない揃いスーツの伊達姿や「ペンギン」という愛称とは裏腹に、ひとたびガトリング砲を持てば全弾撃ちてし止まんという二面性を持った危険人物です。娼婦を使役して要塞に放火したりもします。こわい。

そしてお笑い革命家バスコ。この人は『仁義なき戦い』の渡瀬恒彦みたいな脊髄反射的暴力行為が持ち味で、靴磨きから成り上がって反乱軍の副官に上り詰めたりすぐクビになったりします。そしてヨドからもらった1ドル銀貨のネックレスを装備しているので、銃弾を一度だけノーダメ判定にできます。乱戦時に必須な神スキルですね。

それから反政府組織の精神的リーダーであり、非暴力主義を貫く人格者サントス教授。この人は教え子に非暴力の大切さを説くとき、教え子を殴りながら説教するというメキシカンジョークを披露してくれます。あと、この人の考えるパスワードはかなり安易なので、みんなこいつにパスワード管理させるな。

それから鳥使いの殺し屋ジョン。この人は自分の飼ってるハヤブサに右手を食べられたり、自分の飼ってるハヤブサを食べられたりする不運な人です。それらはおしなべてヨドのせいなので、その怨みを原動力として執拗にヨドとバスコを追撃します。

そんなデスペラードな面々が撃ったり撃たなかったりするわけです。要所要所でエンニオ・モリコーネの大名曲「VAMOS A MATAR, COMPANEROS」が流れるのですが、それは「みなさん! 今からすごくいかしたドンパチが始まるよ! マリファナを紙に巻くその手をちょっと止めて画面を観てね!」という合図なので、たいへん親切な設計の映画といえます。

僕は『レッド・デッド・リデンプション2』の発売を控え、たぎる西部劇欲を抑えるために鑑賞したのですが、大変に感化されました。今後の僕はガトリング砲さえあればひとをころす、写真を撮られるとフラッシュにびっくりしてひとをころす、ハヤブサは見つけしだい捕らえて食いころす、あらゆるサービスのパスワード登録を「VIVA MEXICO」で統一するなど、コンパニェーロじみた行動を取ることが予想されるので女子供は近づくべきではない。バモサマタ! バモサマタ!