冬の華

高倉健くらいかっこいいと女子高生をストーキングしてもサマになるよね! 他には、オロナミンCをダース単位でガブ飲みしたり「東映映画じゃねえんだぞ」とメタなことを言う小林亜星もよかったし、『仁義なき戦い』そのままの面なのでいつ裏切るのかとヒヤヒヤさせてくれる田中邦衛もよかったし、どうやら自衛官の制服を着ているらしいのだが眼光が鋭すぎてもはやキレキレの右翼にしか見えない北大路欣也もよかったし、終始シャガ […]

オッケルイペ

樺太アイヌに伝わるおなら妖怪。「オッケ」=「放屁」、「ルイ」=「猛烈にすぎる」、ペ=「者」だそうで、訳すとスーパー放屁人といったくらいの意味になりますかね。オッケオヤシ(放屁おばけ)とも言います。 アイヌのみなさんが囲炉裏を囲んで団欒していると、ポアという音と、やたら強烈なおならの臭いがする。しかも連発。あまりに臭いので子どもたちの間では犯人捜しが始まる。こういう時にえてして持ち前の残酷性を発揮す […]

ピアノと管弦楽のための組曲「宿命」

漂泊の旅より帰ってまいりました。 日本全国津々浦々、様々なところを巡ってきました。深山の斜面にへばりつく寒村、鈍色の波濤に揉まれる裏日本の寒村、風雪に途絶され鳥すら往来しない北国の寒村など、寒村から寒村を巡る足掛け一年にわたる門付の旅でした。 門付と一口に言っても瞽女、万歳、祭文語り、神楽に獅子舞といろいろありますが、われわれの場合はまず妻がおとない先で三味線を引いて祝唄を歌い、それに合わせて僕が […]

置いてけ堀

本所七不思議のひとつ。七不思議の代表格的存在で、七英雄でいうと頭目のワグナスといったところ。つよそう! 強キャラ! わが置いてけ堀へようこそ! ワンス・アポン・ア・タイム・イン錦糸町。とある江戸っ子がお堀に釣り糸を垂らしておりました。暗い顔の江戸っ子は「釣りをする夫の姿を見たことのない妻は、自分がどれほど辛抱強い男と結婚したか気がつかない……」などと妙に箴言めいたことをつぶやき、目にはうっすらと涙 […]

油ずまし

むかし熊本の草積越とかいうしょぼい山道を婆と孫が歩いていた時、婆が孫に言うわけですよ。「そういえば、ここらには昔油瓶下げたのが出たそうじゃ」みたいなことをね。そしたら草むらからガサガサと妖怪が出てきて、「今でも出るぞー!」と怒鳴ったんだそうです。とまあ、そういう地味かつオチ弱めなエピソードだけが伝わっている妖怪です。 しかし「草積越には油瓶下げた奴が出たそうじゃ」って言われても、孫的には反応に困る […]

激殺!邪道拳

名画座のレイトショーで盛り上がる映画といえば『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』あたりが定番ですが、僕はこの『激殺!邪道拳』をレイトショー界の爆笑王に推薦します。 機械のスピードを身につけるという意味不明な理由のため低周波治療器を改造した電気ショックマシーンで意味不明なトレーニングをするサニー千葉。「あばばばば、おべべべべ」とかいって、SMのコスチュームみたいなマシンをまとい痙攣しているサニー千葉。体 […]

燈無蕎麦

本所南割下水付近(江戸東京博文館のあたりですかね)には夜になると二八蕎麦の屋台が出たそうですが、その中にはなにげにホーンテッドな蕎麦屋が紛れ込んでいた……という本所七不思議のひとつ。 昔々、ちょろい江戸っ子が夜中にそばを食いたくなって、「おっす、おら江戸っ子。いっちょたぐってみっか!」的なスーパーたぐりモードとなって夜の闇を徘徊し、みつけた屋台に駆け寄っていくわけ。 「やってる?」なんつって、のれ […]

2歳児意外に強い説

ギアナ高地奥地の巨大畸岩ペドラピンターダに潜む精霊クルピラの魂が輪廻転生のすえ我が息子ピラ助として生を受けたことは業界ではつとに有名ですが、そのピラ助も今月で満2歳となりまして、西はサンダーソン博士の奇現象調査協会、神智学協会、東方聖堂騎士団、東はSANKIワールドワイド(藤岡弘、隊長の事務所)から学研ムー編集部まで、古今東西の秘密結社から続々と祝電を頂戴しています。あっ、ムー編集長の三上チャン、 […]

藤岡権現のお告げ

(前回までのあらすじ) 息子のキャラ設定を行なっているはずなのに、息子がいっこうに出てこない。 「あなたはもしや、かつて『藤岡弘、探検隊』を率いて地球上のあらゆる謎に立ち向かった伝説の探検隊長、藤岡弘、さんではありませんかッ!?」 「そうだ」 「や、やはりそうでしたか」 「あくまでも仮説だけどな」 「あっ、はい」 「外へ出ちまったなあー」 「あっ、はい。ところで隊長……なぜこんな民間の巫術師ふぜい […]

新婚恐山

やれやれ妻のキャラ設定がぶじ終わったので、次はその妻との間に産まれた一粒種、愛息のキャラ設定を行うとしましょうかね。 あれはそう、なんだっけ、今から3年ほど前の夏だったでしょうか。グロブスターの化身と思われるなぞ多き女グロヴィーヌと異類婚した僕は彼女と二泊三日の新婚旅行に出かけました。場所は若者に人気の避暑地、青森の恐山です。青森といえば門付芸能界の花形、瞽女を排出してきた土地でもあり、僕たち夫婦 […]

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