2018年9月22日

縊鬼

麹町に屋敷を構える組頭の組内には芸達者な同心がいて、最近は細かすぎて伝わらないものまね芸で仲間内の好評を博しておりました。 ある春の日、組頭宅では同役の寄合があり、そして夕刻からは酒宴が予定されていました。 組頭は同心に「お前の『極端なほどさ行が言えない江戸っ子のものまね』は絶品なので、接待役として必ず参加するように」と申しつけていたにも関わらず、いつまでたっても姿を現さない。客も「今夜は細かすぎ […]