2019年1月

蛇神ナーガの化身 伝説の角赤子は実在した!!

(前回から続く) 「うわーッ!」 有角大蛇ヅォン・ドゥーの調理法を調べるため自宅書斎へと足を踏み入れた僕は本棚奥地で購入後積読状態となっていた『UMA事件クロニクル』など手つかずの蔵書の数々を発見し、嬉しい悲鳴をあげたのでした。 時間を忘れて蔵書を読み耽っていると、背後で何やら物音がする。不審に思い振りかえると、先日ずりばいをマスターしたばかりの次男がそばに這い寄り、床に放置していたヅォン・ドゥー […]

歯黒べったり

「のっぺらぼう」のバリエーション。つのかくしを戴いた女性の姿で目鼻がなく、お歯黒のべったりついた口を大きく開いてげたげた笑うというもの。大半は狐狸の化けそこなったものであるとされます。 かような妖怪が生まれる背景として、お歯黒をつけた女性をグロいと感じる男性が当時から少なからずいたということではないでしょうか。男子と女子の美意識の乖離って今でもけっこうありますもんね。たとえばデコネイルとかデコスマ […]

アインシュタインの脳

今なおどこかに保存されているといわれる「アインシュタインの脳」を求め単身渡米したアインシュタイン研究家の杉元賢治教授を追ったハートフルアブラギッシュドキュメンタリー映画。入国審査官に「What’s the porpose of your visit?」と問われて「あいむ、るっきん、ふぉー、ざ、あいんしゅたいんず、ぶれいん!」と元気よく答える杉元教授の雄姿を見よ! 本作の魅力は杉元教授の発散する中年 […]

怪奇! 呪われし輸入食材

話を整理しておくと、いま僕は浜辺で助けた報恩で好みの美女に変じたグロブスターの妻、妖精クルピラが転生・垂迹した緑色の長男ピラ助、そして頭頂から角が生えた次男ヅォン助の四人で生業の門付芸をほそぼそと続けながら帝都東京の片隅でつつましく暮らしているわけです。 で、そういえば次男ヅォン助の角の縁起をまだ詳しく述べていなかったように思うのですが、あらましはこうです。 化生の妻が珍しい獣肉を食べたいというの […]

ヅォン・ドゥー

1987年にその存在が初めて映像に捉えられたとされる有角の超巨大竜。人里離れたベトナム-ラオス国境地帯の山岳に潜み、現地の人間には「呪われた竜の使い」として忌避される存在であるという。 時はくだり2003年。その名も高き藤岡探検隊がこのUMAの探索を決行したその一部始終がドキュメンタリー番組として放映されたことにより、ヅォン・ドゥーの認知度は一躍高まった。 ヅォン・ドゥーの体長は10メートル超。外 […]

ナマズギツネ

岡山、広島、山口のあたりに現れる妖怪。 夜の小川でガボ、ガボという音がするので、大きな魚でもいるのかしらと不思議に思った通行人が川をのぞきこむと、そこより更に上流のほうでまたガボガボいう音がする。通行人は通行人なのだから字義のごとくそのままさっさと通行してゆけばいいものを、どうしても音の正体が気になるらしく、一時通行を中断して上流へと向かう。改めて耳を澄ますと、今度は更に上流のほうでガボガボ……こ […]

チェンジリング

失踪した愛息が無事発見されたものの、外見がなんか違うし、身長も縮んでるし、あげくの果てには割礼まで施されている。とりま別人、頭を冷やして只管打坐してみてもよく見りゃ別人、あらゆる可能性をふまえ沈思黙考したところでやっぱり別人、そもそもおちんちんの形が違うじゃないのよ! うちの子のおちんちんはこんなんじゃないのよ! うちの子のおちんちんを返してよ! と必死で警察に訴える母親。しかし警察も医者も母親の […]

スティング

フッカーとゴンドーフの年の差詐偽コンビは友人の仇をうつべく、こわもてマフィアのロネガンに一世一代のハッタリ詐偽をかまそうとするのだが……といったかんじのアカデミー賞受賞作。脚本・俳優・音楽すべてが素晴らしいという稀有な作品。復讐譚のくせして実に爽やかに終わる話の締め方も大好き。中盤の賭けポーカーのくだりは『ジョジョ』のダービー戦でもトレースされるほどの秀逸さ。ほんとうにもう、この映画はどこをとって […]