チェンジリング

チェンジリング

失踪した愛息が無事発見されたものの、外見がなんか違うし、身長も縮んでるし、あげくの果てには割礼まで施されている。とりま別人、頭を冷やして只管打坐してみてもよく見りゃ別人、あらゆる可能性をふまえ沈思黙考したところでやっぱり別人、そもそもおちんちんの形が違うじゃないのよ! うちの子のおちんちんはこんなんじゃないのよ! うちの子のおちんちんを返してよ! と必死で警察に訴える母親。しかし警察も医者も母親の気のせいだとまったく取り合ってくれないのは、哀れを通り越して真正どホラー展開ですね。こわい。

その後、自分のミスを棚に上げて逆ギレしたロス市警の暗黒面によって母親は精神病院送りになります。そこで丸裸にされた母親役のアンジェリーナ・ジョリーがモンゴリアン・デスワームみたいに太いホースでドバドバ放水されてはずかしめを受ける『ランボー』みたいなギャグシーンを挟み(※ギャグではない)、その後はロス市警の光明面の手によって猟奇殺人事件史にどす黒く輝く「ゴードン・ノースコット事件」の全貌が徐々に明らかになっていきます。まったく中だるみすることなく最後まで観客をぐいぐい引き込む展開が素晴らしいです。クリント・イーストウッド監督作品にありがちな「よい結末だったのかそうでもないのか、なんだかよくわかんねーな……」という、諸手を挙げて喜べないラストも堪能しました。イーストウッド監督作品にはハズレがないので、デートムービーのチョイスに困ったら彼の作品を選ぼう!