そして、帰ってきた…の巻

そして、帰ってきた…の巻

拝啓 コロナ厳しき折、皆さまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。


僕なんかもご多分に漏れずあれですよ、コロナ自粛。本当は当サイトも毎日のように更新したいところだったのですが、自粛警察が鵜の目鷹の目の監視網を張り巡らせていて、下手すれば小林多喜二みたいな末路を辿りかねませんでしたし、お上はお上で三密がどうのとか言い始めたでしょう。三密というのは、僕ははじめハーフサイズの六波羅蜜かなんかのことだと思って、お上はいつから鎮護国家思想に回帰したのかとたいそう訝しんだものですが、ワイドショーを観ていたらどうやらそういうことではないらしいことがわかりました。さすがわれら無知蒙昧な愚民の味方、ワイドショーさまだ。玉川さまー。岡田さまー。バイキングさまー。

親愛なるワイドショーさまがとにかくコロナは危険なので巣篭もりをせよとおっしゃるので、僕は潔く片眉を剃り落とし、両の眉が生え揃うまでは決して人界と交わるまいと心に誓い、三国山の山中にこもることにしました。ワイドショーさまのありがたいお告げの中には巣篭もりに伴う運動不足には気をつけるべしとの訓告もあったため、僕は山奥で日々黙々と巻藁を正拳突きし、極真空手の修行に励んでいたのでした。

しかしそんなことをしているうちにやがて食料も尽き、山中には役所がないため特別定額給付金も受給できず、いよいよ困窮した僕は時折三国峠に出没するようになり、ソニー・ビーン一家のごとく峠を通る旅人やトラッカーを襲い身ぐるみを剥ぐなどの初期極真イズムを体現するような蛮行を働いていましたが、ある晩大山倍達総裁が夢枕に立ち、「それはやりすぎだよキミィ!」とマジモードで叱られたのであった。また「緊急事態宣言はとっくに解除されとるよキミィ!」とのありがたいお告げもあり、僕はついに下山を決心したのであった。

なお大山総裁とはその後も夢の中で楽しく語らい、「新型コロナウイルス(COVID-19)、もし戦わば」という大山カラテvsコロナの仮想対決シミュレーションについても口伝を授かりました。総裁ぐらいの達人になると菌だろうとウイルスだろうとステゴロで仕留めることができるとのこと。どうやって倒すのかというと、新型コロナウイルスをダッキングして体の下にもぐりこみ、すかさず金の玉をつかんで握りつぶせばよいのだそうです。すごい、あざやか! やっぱり大山カラテはそのへんのダンス空手とはワケが違うぜ! 僕はまだ新型コロナウイルスと相対したことはないため実践できていませんが、皆さんが新型コロナウイルス、痴漢、ライオンなどの悪鬼羅刹・天魔外道に遭遇した際はぜひこの戦法を試してみてくださいね。

というわけで、僕は大山カラテという新スキルを引っさげつつ風雲急を告げるコロナ禍のインターネット界に帰還しましたので、これからもこの偉大にして無比なる当サイトの活躍に注目してくださいね。

しかしそれにしても許せないのは新型コロナウイルス。僕の不在につけこんでずいぶんと好き放題やってくれたものだ。しかしその悪行ももはやここまで。喰らえ新型コロナウイルス! 貴様をまじでころす! ターッ!
(画面手前に向って飛び蹴りを放つ僕。飛び蹴りの態勢のまま空中で静止し、荘厳な銅鑼のSEと共に実写から放射状に集中線が伸びる出口統調の止め絵に移行。画面右下に毛筆体で「続く」の文字)