仁義なき戦い
- 2019.04.12
- シネラマ島奇談
昭和21~31年に繰り広げられた広島(呉)やくざの抗争と分裂を描いた実録もの。監督は深作欣二。主演は菅原文太。僕の大好きな作品です。これはもう、本当に、頼むから、いっぺん騙された思うてためしに観てつかあさいや。もしつまらんかったら、わしの指詰めますよってに。この映画の面白さには、わしジギリかけとるんで。
わしの選ぶ好きなやくざBEST5
1位 広能昌三(菅原文太)
武力:★★★★
知力:★★★
仁義:★★★★★
「狙われるもんより狙うもんのほうが強いんじゃ!」
シリーズ通しての主人公。仁義に生きる実に立派なお人じゃが、そのせいで山守たちにええように使われて、二度も刑務所に入れられて、小指も詰める羽目になって、兄貴も殺されてと、ほんにもうこのお人ときたら、どこまでも報われないじゃない。葬式で暴れまわるラストシーンもかっこええけんど、個人的には指詰めシーンの「しびれるのー!」ちゅうところも好きじゃの。
2位 坂井鉄也(松方弘樹)
武力:★★★
知力:★★★★
仁義:★★★
「神輿が勝手に歩けるんなら歩いてみいや。ああ?」
この人も筋は真っ直ぐ通った人なんじゃが、すこし甘いところがおありなさるんと、本人も言うちょるとおり親を見る目がなかったんが災いしたのう。山守組きっての武断派じゃが、広能の兄貴が煙草ふかそうと懐に手え突っ込んだのをハジキで撃たれるんと勘違いして慌てふためくさまは悲しいほど滑稽じゃった。子供のおもちゃを買っとるところをマトにかけられて、銀のモールを体に巻きつかせて悶死するちゅうのもなんともいなげな死に様じゃったが、こん映画の中ではもっとも人間味のあるお人じゃったのう。後のシリーズを観とると、「坂井の鉄ちゃんが生きておればのう……」と思うこともしばしばじゃわい。
3位 若杉寛(梅宮辰夫)
武力:★★★★
知力:★★★
仁義:★★★★
「わしゃあこれから腹あ切るけえのう、ええとこで自殺じゃあ言うて騒いでくれや」
弟分の広能同様、仁義に生きたお人じゃけん。ムショから出るためなら自分の腹も切り、仁義を貫くためなら自分とこの親分とさえ喧嘩するちゅう肝の太さをまあ見たってつかあさいや。この映画ではいい人から順に死んでいくと相場が決まっとるき、この人も仲間に隠れ家をチンコロされてサツに殺されてしもうた。惜しい人をなくしたもんじゃのう。
4位 上田透(伊吹吾郎)
武力:★★★
知力:★
仁義:★★★
「これは馬のションベンか? え? ビールならもっとひやいの持って来いや!」
出番は少ないけんど、盆屋で山守組にアヤつけるシーンがえろうかっこよかったんでランクインじゃ。権謀術数とは遠いところにおった人のようじゃが、親坂井派ということで山守の刺客に床屋の最中に殺られてもうた。落ち着いて床屋もできんとは、やくざ稼業ちゅうのはつくづく難儀な仕業じゃのう。
5位 山守義雄(金子信雄)
武力:★
知力:★★★★
仁義:★
「言うておくがのう、子が親に銭を出し渋る極道がどこにおるんなら!」
山守組の親分じゃが、同時に若衆のケツかいて分裂・抗争・破滅をうながしよってに、出る杭を打ちまくる悪の首魁じゃけん。はじめはええ人じゃと思って観とったけんど、外道がひょっとこ面しとっただけじゃったとは、これが広島やくざの怖さじゃいうことかのう。わしゃあとてもじゃないが野良突く程の性根は持てんわい。
調子にのりくさって映画から学んだインチキ広島弁で文章書いてしもたわい。ようわからんが、これで合うとるんかいのう。まあええわい。じゃあの。
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