蛇神ナーガの化身 伝説の角赤子は実在した!!

蛇神ナーガの化身 伝説の角赤子は実在した!!

(前回から続く)

「うわーッ!」

有角大蛇ヅォン・ドゥーの調理法を調べるため自宅書斎へと足を踏み入れた僕は本棚奥地で購入後積読状態となっていた『UMA事件クロニクル』など手つかずの蔵書の数々を発見し、嬉しい悲鳴をあげたのでした。

時間を忘れて蔵書を読み耽っていると、背後で何やら物音がする。不審に思い振りかえると、先日ずりばいをマスターしたばかりの次男がそばに這い寄り、床に放置していたヅォン・ドゥーの肉片のラップを破り、そしてあろうことかぐずぐずに崩れた肉片をせっせと口に運んでいるではないか。

「次男、口ーッ!」

僕はあわてて次男の口内からヅォン・ドゥーの肉をかき出したものの、その一部は既に嚥下されていました。妻には10倍がゆと裏ごししたニンジンを与えたと虚偽の報告を行ったものの、翌朝次男の頭頂からロングホーンみたいに鋭いツノが生えてきたので嘘がばれ、怒る妻の必殺するめ固めを被弾した僕はあうあう呻きながら布団に逃げこみ、そのままふて寝を決めこんだのであった。

ま、そんな角のことはさておき。次男はいま生後7ヶ月でかわいいさかりなんですよ。基本的に床に転がして放し飼いにしているのですが、先日は自らボタンを押して起動したルンバにドリブルされてゴロゴロ転がっていくのを目撃しました。無軌道な赤子やロボット三原則を遵守しないロボットに囲まれて暮らすのはなかなか楽しいですね。ははは。

などど、楽しかったのはほんの束の間のこと。このあと想像を絶する恐怖が我が家に降りかかることを、当時の私はまだ知る由もなかったのです……

(次回「育児とオカルト」に続く)