ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル

なぞのゲーム「ジュマンジ」を起動すると謎の太鼓音がドンドコ響き渡り、登場人物たちはそれぞれが選んだアバターの姿となってゲームの世界に閉じ込められてしまうのであった……

といった設定は『ソードアート・オンライン』、もしくは「なろう系」などにも通底するかんじであり、いっけん日本的ではありますが、日本のクリエーターは「主人公が異世界では筋肉ムキムキのドゥエイン・ジョンソンになる」という設定を思いつかないので、あるいは仮に思いついても広告代理店や製作委員会が作者を鉄パイプでぶん殴ってでも止めにかかろうとするので、したがって日本では永久に作られることのない作品といえるでしょう。

中身がナードなドゥエイン・ジョンソン、中身がインスタ女子なジャック・ブラック、「キメ顔」を特殊スキルに持つドゥエイン・ジョンソン、悩殺シーンがぎこちなさすぎるカレン・ギラン、キスが恐ろしく下手なドゥエイン・ジョンソンなど、俳優各位の怪演が光る作品でもありました。

『ソードアート・オンライン』要素のほか、本作では根底に『ブレックファスト・クラブ』へのリスペクトとオマージュがあり、それがまたよかった。

『ブレックファスト・クラブ』といったらおめえ、スクールカーストをテーマにした青春映画の大傑作なんですが、本作でもナードとジョック、カースト違いの女子どうしの間で育まれる友情が描かれており、結末も本家BFC同様じつにさわやか。もしアメリカの学校に通っていたらナード認定待ったなし、プロム欠席&おうちで『ストV』三昧大確定の僕としては、本家BFCよりもナードの存在感が増している本作(BFCではバッドボーイが目立っている)のほうにより感情移入できました。