クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア

クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア

『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』でトム・クルーズが好演した吸血鬼レスタトをなんかそのへんのにーちゃんが演じ、よせばいいのにレスタトのその後を描いてしまった本作。とはいえそれなりに面白かったです。

それにしても、本作は前作と比べてだいぶトホホ度があがってます。へっぽこバンドのロッキン演奏によって百年の眠りから目覚めてしまうレスタトもレスタトですが、「吾輩はヴァンパイアである」と言い張るレスタトをデーモン小暮の親戚と勘違いしてバンドメンバーにしてしまうメンバーもメンバー、そんなバンドを聖飢魔IIの二番煎じと勘違いして支持する大衆も大衆ですよ。それどころか、うっかりスターダムにのしあがったレスタト小暮たちの演奏は、今度はヴァンパイアの女王さまを蘇らせてしまいます。なんでよりにもよってロックで目覚めるんだ吸血鬼各位は。これじゃうかつに東欧でフェスも開けないよ。

ライブ中に吸血鬼軍団が来襲してレスタトと死闘を繰り広げる一幕もあるのですが、ファンは演出と勘違いしてノリノリのノリ助状態。そういや『ゾンビ屋れい子』にもこんな話がありましたが、もしかしたら聖飢魔IIもライブの演出と見せかけてほんとうは神や悪魔と戦っていたりしたのかもしれません。

インタビュー・ウィズ・クイーン・オブ・ザ・河童

「今日は河童界の女親分、ネネコさんにお話を伺いたいと思……」

「見るか? あたしの甲羅みるか?」

「……。あなたの子分にも言ったんですけど、人が話し終わらないうちに話……」

「侘び証文書くから。侘び証文書くから。ちょっと待ってろ」

「いや、そこまで神妙に反省されても困ります。大丈夫ですから」

「そうか。じゃあお前、相撲とろう相撲」

「え? あ、ちょっ、うわー!」

「ははは。もう一番! もう一番!」

「いたたた! とつぜん何するんだ。痛いじゃないか!」

「そうか。侘び証文書くから。な、詫び証文」

「あんたアレだろ、侘び証文を書きたいだけだろ」

「さすが人間だ。あなどれない」

「まったく、いいかげんにしてくださいよ」

「申し訳ない。侘び証文書くから、侘び証文書くから」

「……」