2018年

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クリーピー 偽りの隣人

うちの隣には挨拶を返さない無愛想なおっさんが住んでいて、こちらの挨拶を無視して立ち去るこいつの背中に烈火太陽脚をかましてやりたい気持ちを必死で抑えていたのですが、この映画を観てその考えが変わりました。 香川照之演じるサイコパスおじさんの奇行に比べたら、挨拶を無視されるくらいかわいいもの、むしろ愛しいくらいです。今度会ったら菓子か餅でもくれてやろう。

クルピラ

切り裂かれる大地の闇――ギアナ高地の巨大畸岩ペドラピンターダに潜む伝説の地底人。藤岡弘、率いる探検隊の第三次探検における調査対象であり、この回の放送はクルピラとの息詰まる追跡劇やインディオとの攻防、クルピラをめぐるあまりに壮大な仮説の展開、磨きがかかる隊員たちの凡ミスや隊長の格言集など非常に充実した内容となっており、シリーズ最高傑作との呼び声が高い。 クルピラの特徴は、「地底に棲む」「小柄な体躯で […]

北陸代理戦争

圧巻の面白さ。敵味方の関係性が『仁義なき戦い』以上に目まぐるしく変わるのと、それから美味しそうな北陸産の蟹がしょっちゅう出てくるので、画面からまったく目が離せない! ファーストフード感覚で一杯の蟹をパクつく松方弘樹がめちゃくちゃかっこ良いですね。蟹を食う姿がかっこいいって、他にいるこんな人!? あとはそう、この映画から北陸三県の気質を称する「越中強盗、加賀こじき、越前詐欺師」ということばを学んだの […]

君のクラスの一番うしろ

我が家にはアマゾンの精霊クルピラの子どもが住んでいるのですが、彼には将来よい仕事に就いて不自由のない暮らしをしてほしいもの。かくして彼を実地で鍛えあげるため、サブカルの総本山である中野ブロードウェイに連れていきました。 「あっ、あれはなに?」 「ははは、あれは超人墓場だよ。おもにキン肉マンのTシャツなどを売っているのだ」 「あっ、あれはなに?」 「ははは、あれはタコシェだよ。作家の中でも特に日陰者 […]

長壁姫

姫路城の天守閣に居を構える妖怪です。お城の一隅を占拠する家賃代わりに、年に一度城主と面会して城の運命を教えていたそうです。 その正体は、一般的には妖狐の類と言われています。八百匹の眷属や蝙蝠を使役し、人の心や世間の動きを自在に察知して弄ぶとのこと。猪苗代城の妖怪姫「亀姫」は長壁姫の妹であるという設定もあります。 むかしお城のみんなで「妖怪のいる7Fまでおしっこ漏らさずに行けるか」という趣意の肝試し […]

続・拝啓天皇陛下様

復員兵、パンパン、三国人、闇市商人、GI、戦争未亡人など、終戦時の主要ジョブ大集結で面白かったです。 ところで、渥美清が飼い主を外につないで寝たら翌朝いなくなっており「ごちそうさま」という走り書きだけが残されていたというエピソードがあっさり描写されているけど、今なら平山夢明作品なみのトラウマホラーですよね。さすがに時代の隔たりというものを感じます。もはや戦後ではない。

冬の華

高倉健くらいかっこいいと女子高生をストーキングしてもサマになるよね! 他には、オロナミンCをダース単位でガブ飲みしたり「東映映画じゃねえんだぞ」とメタなことを言う小林亜星もよかったし、『仁義なき戦い』そのままの面なのでいつ裏切るのかとヒヤヒヤさせてくれる田中邦衛もよかったし、どうやら自衛官の制服を着ているらしいのだが眼光が鋭すぎてもはやキレキレの右翼にしか見えない北大路欣也もよかったし、終始シャガ […]

オッケルイペ

樺太アイヌに伝わるおなら妖怪。「オッケ」=「放屁」、「ルイ」=「猛烈にすぎる」、ペ=「者」だそうで、訳すとスーパー放屁人といったくらいの意味になりますかね。オッケオヤシ(放屁おばけ)とも言います。 アイヌのみなさんが囲炉裏を囲んで団欒していると、ポアという音と、やたら強烈なおならの臭いがする。しかも連発。あまりに臭いので子どもたちの間では犯人捜しが始まる。こういう時にえてして持ち前の残酷性を発揮す […]

ピアノと管弦楽のための組曲「宿命」

漂泊の旅より帰ってまいりました。 日本全国津々浦々、様々なところを巡ってきました。深山の斜面にへばりつく寒村、鈍色の波濤に揉まれる裏日本の寒村、風雪に途絶され鳥すら往来しない北国の寒村など、寒村から寒村を巡る足掛け一年にわたる門付の旅でした。 門付と一口に言っても瞽女、万歳、祭文語り、神楽に獅子舞といろいろありますが、われわれの場合はまず妻がおとない先で三味線を引いて祝唄を歌い、それに合わせて僕が […]

置いてけ堀

本所七不思議のひとつ。七不思議の代表格的存在で、七英雄でいうと頭目のワグナスといったところ。つよそう! 強キャラ! わが置いてけ堀へようこそ! ワンス・アポン・ア・タイム・イン錦糸町。とある江戸っ子がお堀に釣り糸を垂らしておりました。暗い顔の江戸っ子は「釣りをする夫の姿を見たことのない妻は、自分がどれほど辛抱強い男と結婚したか気がつかない……」などと妙に箴言めいたことをつぶやき、目にはうっすらと涙 […]

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