怪力乱神

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石妖

昔むかし、伊豆山中での出来事じゃったと。 山奥で数人の石工が石の切り出し作業を行っていました。昼下がりの休憩時、缶コーヒーのジョージアを飲みながらだべっていると、どこからともなく場違いな服装の女がやって来たので一同おおいに驚いた。やや垂れ目ながらも二重の大きな瞳、そしてボリューミーな唇にセミロングという石原さとみのような容貌の女は、男好きのしそうな舌足らずな声で「てか、マッサージにきたんですけどー […]

水母娘娘

山西省の水母楼にまつられている萌え偶像。 晋祠村に美しいお嫁さんがおりました。たいそうべっぴんな乙嫁で、まるで森薫の描いた女性キャラクターのようじゃ、あんなに精緻な描きこみでよく締め切りに間に合うものじゃ、などとたいそうな評判でした。 さて、乙嫁さんの暮らす村には井戸も川もなく、毎日何里もの道のりを往復して生活用水を汲みにいくのが彼女の日課でした。嫁が苦労して確保してくれる貴重な水なんだから大事に […]

3メートルの宇宙人

別名「フラットウッズ・モンスター」「10フィートの怪物」「ブラクストン郡のモンスター」などなど。 でも僕はやっぱり南山宏先生が訳したといわれる「3メートルの宇宙人」という名称が一番好きだなあ。 時は1952年9月12日の夜7時頃。ウェスト・バージニア州ブラクストン郡の田舎町フラットウッズの校庭では、下校時間をとっくに過ぎているにもかかわらず、4人の子供たちがサッカーに興じておりました。彼らがまず最 […]

肉吸い

熊野山中に現れる妖怪。 姿かたちはハイティーンの女子。やたら美人なんだそうです。その美人が、人気のない夕間暮れの山中で「ホーホー」と笑いながら道ゆく男に近づいてくる。 そんな女、どう考えても怪しいですよね。しかし男子はかわいい女子の前だと思考が停止する生物なので「ウェーイ、チスチス、ウィーッス」などとカタコトで気さくに挨拶を交わしてしまうのですが、これがよくない。 まじでよくない。 先方も更に調子 […]

目競

太政大臣・平清盛主導の強引な遷都によって日本の首都が福原へと移され、No Taira family, No Life的なキャンペーンをますます強めていた不穏な時代のこと。福原では様々な奇怪な事件が発生したのですが、このエピソードもその中の一つ。 ある朝、清盛が妻戸を開いて中庭を眺めたところ、なぞのモンスターとエンカウント。それは死人のされこうべに目玉のついたちっこいモンスターで、いわゆるスライム的 […]

刀自待火

トジマチャービー。沖縄の妖怪「遺念火」の一バージョンです。 当時はやりのベンチャービジネス(豆腐売り)で成功した実業家のAさん(28)。彼は首里城の近くのヒルズに居を構え、美人で若いうえにアロマ検定1級の資格まで持っているBさん(23)を妻(刀自)に迎えました。二人は幸福な夫婦生活を営んでおりましたが、奥さんに横恋慕したCという男が外出中のBさんにさんざんまとわりついた挙げ句、二人の仲を裂こうとし […]

クルピラ

切り裂かれる大地の闇――ギアナ高地の巨大畸岩ペドラピンターダに潜む伝説の地底人。藤岡弘、率いる探検隊の第三次探検における調査対象であり、この回の放送はクルピラとの息詰まる追跡劇やインディオとの攻防、クルピラをめぐるあまりに壮大な仮説の展開、磨きがかかる隊員たちの凡ミスや隊長の格言集など非常に充実した内容となっており、シリーズ最高傑作との呼び声が高い。 クルピラの特徴は、「地底に棲む」「小柄な体躯で […]

長壁姫

姫路城の天守閣に居を構える妖怪です。お城の一隅を占拠する家賃代わりに、年に一度城主と面会して城の運命を教えていたそうです。 その正体は、一般的には妖狐の類と言われています。八百匹の眷属や蝙蝠を使役し、人の心や世間の動きを自在に察知して弄ぶとのこと。猪苗代城の妖怪姫「亀姫」は長壁姫の妹であるという設定もあります。 むかしお城のみんなで「妖怪のいる7Fまでおしっこ漏らさずに行けるか」という趣意の肝試し […]

オッケルイペ

樺太アイヌに伝わるおなら妖怪。「オッケ」=「放屁」、「ルイ」=「猛烈にすぎる」、ペ=「者」だそうで、訳すとスーパー放屁人といったくらいの意味になりますかね。オッケオヤシ(放屁おばけ)とも言います。 アイヌのみなさんが囲炉裏を囲んで団欒していると、ポアという音と、やたら強烈なおならの臭いがする。しかも連発。あまりに臭いので子どもたちの間では犯人捜しが始まる。こういう時にえてして持ち前の残酷性を発揮す […]

置いてけ堀

本所七不思議のひとつ。七不思議の代表格的存在で、七英雄でいうと頭目のワグナスといったところ。つよそう! 強キャラ! わが置いてけ堀へようこそ! ワンス・アポン・ア・タイム・イン錦糸町。とある江戸っ子がお堀に釣り糸を垂らしておりました。暗い顔の江戸っ子は「釣りをする夫の姿を見たことのない妻は、自分がどれほど辛抱強い男と結婚したか気がつかない……」などと妙に箴言めいたことをつぶやき、目にはうっすらと涙 […]

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