シネラマ島奇談

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崖の上のポニョ

2008年のある夏の夜。男一人でこれを観に行くのはちょっと恥ずかしいなあ……と思いつつ雨降りの深夜に歌舞伎町の新宿オデヲン座に出かけたところ、客席に子どもは一人もおらず、館内にいたのはホームレスとヤクザものの夫婦とホストだけだったので、僕もリラックスして観ることが出来ました。とても楽しかったよ! エンディングではみんな立ち上がり、ホームレスやヤクザやホストと肩を組んでいっしょにポニョのうたをうたっ […]

恋は雨上がりのように

「女子高生」と「おじさん」は陰陽五行説でいうと相克の関係にあり、たとえばアフラ・マズダとアーリマン、バロンとランダ、美来斗利偉・拉麵男と屠殺鬼玉王のように永遠の闘争を宿命づけられた存在ですが、本作ではその相反する二者がほんの一瞬、わずかに近接することによってアウフヘーベンが起こり、そしてそれぞれがより高みへと向かうという、世にありうべからざる美しき物語です。もはや神話レベルといってよい。女子高校生 […]

仁義なき戦い

昭和21~31年に繰り広げられた広島(呉)やくざの抗争と分裂を描いた実録もの。監督は深作欣二。主演は菅原文太。僕の大好きな作品です。これはもう、本当に、頼むから、いっぺん騙された思うてためしに観てつかあさいや。もしつまらんかったら、わしの指詰めますよってに。この映画の面白さには、わしジギリかけとるんで。 わしの選ぶ好きなやくざBEST5 1位 広能昌三(菅原文太) 武力:★★★★ 知力:★★★ 仁 […]

エクスタミネーター

ベトナム帰りの精肉工場社員が、戦友に全身麻痺の重症を負わせたチンピラに正義の鉄槌をくらわす! これですっかり調子に乗った精肉工場社員はNYのマスコミ各位に「私は社会の悪を糾す『処刑人』である!」などという赤面ものの中坊ライクな声明文を送りつけ、その後は私刑のオンパレード! 社長も私刑! 風俗店の親父も私刑! ゆきずりの犯罪者も私刑! あっちも私刑、こっちも私刑! といったかんじの廉価版『タクシード […]

団地七つの大罪

まずはこの、壮大でかっこよすぎるあまり僕が全文筆録するに至った冒頭のナレーションを黙読していただきたい。 見たまえ諸君、この白亜のアパート群を。 この巨大なすばらしき類型の美しさを。 これこそ現代の城だ。 われわれホワイトカラー族が、いや、日本人の大半を占めるミドルクラス3000万の人間が憧れ、夢に見る現代の城だ。 この砦の一角に入城を許されるのは、厳重な資格審査を経たうえに、わらの山から一本の針 […]

コードギアス 復活のルルーシュ

きれいに完結している作品なので、放映終了の翌年ぐらいに本作が公開されていたら「おいおい蛇足じゃないの……」「『ロッキー5』かよ……」とネガティブな印象を抱いていたかもしれないけれど、もう十年も経っているので蛇足かどうかや整合性などはもはやどうでもよく、娯楽性の高い新作を観ることができて単純に楽しかったです。 ネタバレにならない範囲の感想としては、僕の好きな奇跡の藤堂が幸せそうで良かった。

人間蒸発

「ドキュメンタリー」と聞くと、「おや、報道やジャーナリズムの親戚かな」「パラメータは『かしこさ』重視で『ちから』のような格闘系ステータスは低めなのかな」などと思いがちですが実はさにあらず、ドキュメンタリーこそ「ちから」ステータス全振りの暴力装置になりうることを如実に示す傑作だと思いました。 プライバシーの概念が今ほど浸透していない時代のこととはいえ、根掘り葉掘りの個人情報暴露で出演者にダメージを与 […]

クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア

『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』でトム・クルーズが好演した吸血鬼レスタトをなんかそのへんのにーちゃんが演じ、よせばいいのにレスタトのその後を描いてしまった本作。とはいえそれなりに面白かったです。 それにしても、本作は前作と比べてだいぶトホホ度があがってます。へっぽこバンドのロッキン演奏によって百年の眠りから目覚めてしまうレスタトもレスタトですが、「吾輩はヴァンパイアである」と言い張るレスタト […]

平成ジレンマ

かつて戸塚ヨットスクールといえば、お母さんが聞きわけのないお子さんを叱るときに「言うこと聞かないと戸塚ヨットスクールに連れていくわよ!」とその名をチラつかせるだけで子供がビビりまくったという昭和の最恐しつけアイコンでした。つまり民俗学的には「なまはげ」「隠れ座頭」「夜道怪」「百々爺」「ゲドガキのバケモン」などの妖怪と同列で、それはまあ大したものだったわけですが、その昭和の大妖怪が平成の現在いったい […]

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル

なぞのゲーム「ジュマンジ」を起動すると謎の太鼓音がドンドコ響き渡り、登場人物たちはそれぞれが選んだアバターの姿となってゲームの世界に閉じ込められてしまうのであった…… といった設定は『ソードアート・オンライン』、もしくは「なろう系」などにも通底するかんじであり、いっけん日本的ではありますが、日本のクリエーターは「主人公が異世界では筋肉ムキムキのドゥエイン・ジョンソンになる」という設定を思いつかない […]

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