錬金の果
- 2019.07.10
- 日記風
無から鉱物、特に黄金を生成するのは古来より錬金術師の悲願でした。数多のアルケミストが追い求めた夢、錬金。このたび僕はその偉大なる到達点に至る一里塚、シュウ酸カルシウム結石の生成に成功したので報告いたします。 (要約:尿管結石になった) 無に近いところから鉱物を生成するという禁断の術式なので、錬金術師も結石使いも錬成に際してそれ相応の代償を支払うことになります。いわゆる等価交換というやつですね。シュ […]
無から鉱物、特に黄金を生成するのは古来より錬金術師の悲願でした。数多のアルケミストが追い求めた夢、錬金。このたび僕はその偉大なる到達点に至る一里塚、シュウ酸カルシウム結石の生成に成功したので報告いたします。 (要約:尿管結石になった) 無に近いところから鉱物を生成するという禁断の術式なので、錬金術師も結石使いも錬成に際してそれ相応の代償を支払うことになります。いわゆる等価交換というやつですね。シュ […]
ニュージャージー州のパインバレンズ一帯を中心に、およそ200年前から近隣住民の生活を脅かし続けている残虐UMA。 ご当地昔話によれば、事の発端は1735年。リーズ家のお母さんが13人目の子供を出産する際あまりの難産で頭が少しパーになり、「いっそのこと悪魔が産まれてきますように。ひっひっふー」と意味不明の願いをかけたところ、産まれてきた赤ちゃんは本当に悪魔に変化。馬の頭とコウモリの羽を持つクリーチャ […]
納戸に住んでる婆の妖怪。そのまんまだぞ。 おもに西日本に出現する妖怪で、岡山県の納戸婆は「ホーッ!」という怪鳥音をあげながら納戸から勢いよく飛び出してくるのだそうです。昔の婆は元気だなあ。 テンションの高さが取りえの納戸婆ですが、そんな彼女も家人に庭箒でぶん殴られると縁の下へと逃げ込んでゆくのだそうです。婆だけではく、撃退する家人のほうもなかなかテンションが高いですね。妖怪をほうきで殴るって、どう […]
アンソニー・パーキンス(ノーマン・ベイツの人)とチューズデー・ウェルズ(真・ロリータ。テヘペロしながら人を撃つ)のネジが飛んだ二人が犯罪を重ねるお話です。 二人のヘル・ミッショネルズみたいな関係性が良かったです。このネプチューンマンって超人はかなりやばいぞ、テムズ川から飛び出てきたし、マスク狩りとかわけのわからないこと言ってるし、なんかトゲのついたチョッキを着てるし、こいつ絶対まともじゃないよ、ア […]
(ネタバレあり) 突然ですけど僕、『平成狸合戦ぽんぽこ』と『ペルソナ2 罪』が大好きなんですよね。両作品ともにストーリーが面白い、魑魅魍魎がたくさん出てくる、といった共通項のほか、「大敗を喫して話が終わる」という共通項もあることに最近気づきました。きっと予定調和ではない終わり方、今までの行動が徒労に過ぎなかったかもしれないという虚無的な結末、そうであったとしても、死んでないから生きていかざるをえな […]
2008年のある夏の夜。男一人でこれを観に行くのはちょっと恥ずかしいなあ……と思いつつ雨降りの深夜に歌舞伎町の新宿オデヲン座に出かけたところ、客席に子どもは一人もおらず、館内にいたのはホームレスとヤクザものの夫婦とホストだけだったので、僕もリラックスして観ることが出来ました。とても楽しかったよ! エンディングではみんな立ち上がり、ホームレスやヤクザやホストと肩を組んでいっしょにポニョのうたをうたっ […]
おそらくこれが平成最後のホームページ更新になるかと思います。 僕がホームページ運営を始めたのは大学一年の時で、年号でいうと平成9年のことでした。しかるに僕は平成の2/3を「死せる魂の会」と共に歩んだことになるんですね。 「祖父の代から続くホームページ」とか、「寛永年間創業のサイト」とか、「『出雲国風土記』にその名が登場する歴史的なブログ」のように元号をまたいで続く歴史あるサイトもあるのかもしれない […]
いわゆる「千匹狼」型説話のヴァリエーションです。 雲州松江(島根県)の小池さんという武家に仕える男(Aさん)がおりました。 年末のオフはリフレッシュのため実家で過ごしていたAさんでしたが、年が明けて主人の家に戻る道中で事件が起こりました。 檜山の山道で、Aさんの行く手を遮るように立ちはだかった狼の群れの恐ろしさ。しかも連中ときたら、まるで『銀牙』に出てくる伊賀忍犬のごとく統率がとれていて、大木に登 […]
「女子高生」と「おじさん」は陰陽五行説でいうと相克の関係にあり、たとえばアフラ・マズダとアーリマン、バロンとランダ、美来斗利偉・拉麵男と屠殺鬼玉王のように永遠の闘争を宿命づけられた存在ですが、本作ではその相反する二者がほんの一瞬、わずかに近接することによってアウフヘーベンが起こり、そしてそれぞれがより高みへと向かうという、世にありうべからざる美しき物語です。もはや神話レベルといってよい。女子高校生 […]
そのとき私が乗っていた二等車には、大事そうに風呂敷包みを抱えた年齢不詳の一人の紳士を除いて乗客はなく、いま思い返してみると実に不思議なことではあるが、列車ボーイや車掌さえ一度も姿を表すことはなかった。「これでございますか」僕の好奇の視線に気づいた紳士は、抱き抱えていた風呂敷をほどき、中から現れた額のようなものを窓の所に立てかけた。額の中には一尺足らずの大きさの娘の半身が浮き出ており、その娘は何とも […]