日記風

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錬金の果

無から鉱物、特に黄金を生成するのは古来より錬金術師の悲願でした。数多のアルケミストが追い求めた夢、錬金。このたび僕はその偉大なる到達点に至る一里塚、シュウ酸カルシウム結石の生成に成功したので報告いたします。 (要約:尿管結石になった) 無に近いところから鉱物を生成するという禁断の術式なので、錬金術師も結石使いも錬成に際してそれ相応の代償を支払うことになります。いわゆる等価交換というやつですね。シュ […]

平成はいま…燃えつきた

おそらくこれが平成最後のホームページ更新になるかと思います。 僕がホームページ運営を始めたのは大学一年の時で、年号でいうと平成9年のことでした。しかるに僕は平成の2/3を「死せる魂の会」と共に歩んだことになるんですね。 「祖父の代から続くホームページ」とか、「寛永年間創業のサイト」とか、「『出雲国風土記』にその名が登場する歴史的なブログ」のように元号をまたいで続く歴史あるサイトもあるのかもしれない […]

松江しんじ湖温泉を旅する

そのとき私が乗っていた二等車には、大事そうに風呂敷包みを抱えた年齢不詳の一人の紳士を除いて乗客はなく、いま思い返してみると実に不思議なことではあるが、列車ボーイや車掌さえ一度も姿を表すことはなかった。「これでございますか」僕の好奇の視線に気づいた紳士は、抱き抱えていた風呂敷をほどき、中から現れた額のようなものを窓の所に立てかけた。額の中には一尺足らずの大きさの娘の半身が浮き出ており、その娘は何とも […]

あわら温泉を旅する

といっても前回の四万温泉とは違い出張旅行なので、旅情はほとんどないのですが。 夕方には宿にチェックインしてゆるりと温泉につかるはずだったのですが、いろいろあって仕事を終えたのは20時近く。慌ててえちぜん鉄道に飛び乗り、予約していたあわら温泉の宿、青雲閣へと向かいます。 ところで、えちぜん鉄道ではいまだにきっぷ売り場も改札も対人なんですね。東京ではこれらの業務はマシンやメカやヒューマノイドがAuto […]

四万温泉を旅する(後編)

18時、夕食のため大広間へ。「日本ボロ宿紀行」によると御膳を部屋に運んで食べてもよいということだったので僕もそうするつもりだったのですが、迷宮のような館内を行ったり来たりしながら御膳を運ぶのが面倒になり、けっきょく大広間で食べました。 「長八の宿」のジッさん並の超スピードでモシャモシャカリカリとめしを平らげ、ダッシュで風呂へ。他の宿泊客が大広間でのんびり食事しながら油断している間に、ひとりで風呂を […]

四万温泉を旅する(前編)

群馬の四万温泉を旅してきました。 ご承知のとおり僕は副業として古物商を営んでいるのですが、先日群馬山中のとある古刹のお坊さまから「世にも稀な神品を手放したい」という手紙が届きました。そして、彼と落ち合う先として指定されたのが四万温泉は「積善館」という宿だったのでした。 しかしあろうことか、お坊さまは投宿先の宿の橋の上で座禅を組んだまま死んでいるのが発見されました。そしてこの怪死事件を端緒に、僕はい […]

見えない友だち

オカルト育児大劇場 第ニ話「見えない友だち」 次男だけでなく、怪異は長男の周辺でも起こり始めていました。というのも、長男が家の中にいる「パンパン」という名の友だちのことをしきりに語るようになったのです。もちろんそのような者の出入りはあるはずもなく、僕は恐怖に打ち震えました。しかしそんなことなどお構いなしに、長男はその「友だち」のことを嬉々として語り続けるのでした。 「どれ長男、抱っこしてあげよう。 […]

育児とオカルト

「七つ前は神のうち」という言葉もあるように、一定年齢に達する前の子どもは異界・霊界・幽冥界といった人外の世に片足を突っ込んだ超自然的存在なのだといわれることがあります。翻って僕は四十だし、霊感もないし、異界との接点や怪奇体験といったものはないに等しかったのですが、現在わが家には3歳と0歳の子どもがいるせいなのか、彼らを介して怪奇な事象に遭遇する機会が増えました。 僕は育児だけではなくオカルトにも造 […]

蛇神ナーガの化身 伝説の角赤子は実在した!!

(前回から続く) 「うわーッ!」 有角大蛇ヅォン・ドゥーの調理法を調べるため自宅書斎へと足を踏み入れた僕は本棚奥地で購入後積読状態となっていた『UMA事件クロニクル』など手つかずの蔵書の数々を発見し、嬉しい悲鳴をあげたのでした。 時間を忘れて蔵書を読み耽っていると、背後で何やら物音がする。不審に思い振りかえると、先日ずりばいをマスターしたばかりの次男がそばに這い寄り、床に放置していたヅォン・ドゥー […]

怪奇! 呪われし輸入食材

話を整理しておくと、いま僕は浜辺で助けた報恩で好みの美女に変じたグロブスターの妻、妖精クルピラが転生・垂迹した緑色の長男ピラ助、そして頭頂から角が生えた次男ヅォン助の四人で生業の門付芸をほそぼそと続けながら帝都東京の片隅でつつましく暮らしているわけです。 で、そういえば次男ヅォン助の角の縁起をまだ詳しく述べていなかったように思うのですが、あらましはこうです。 化生の妻が珍しい獣肉を食べたいというの […]