岩魚坊主

深山で無法ヤンチャなプレイスタイルの釣りに興じていると現れる妖怪。 ヤンチャなプレイスタイルの釣りといっても禁漁区での密漁とかガチン漁とかいろいろありますが、例えば「毒もみ」という漁法がありますね。山椒の皮かなんかを川に流すと周辺の魚がすべて死ぬのでラクして魚が獲れるそうです。 あるとき村の若い衆が毒を川に撒き散らしまくってゴキゲンな乱獲に興じていると、どこからともなく坊主が現れて「そんなことはや […]

見えない友だち

オカルト育児大劇場 第ニ話「見えない友だち」 次男だけでなく、怪異は長男の周辺でも起こり始めていました。というのも、長男が家の中にいる「パンパン」という名の友だちのことをしきりに語るようになったのです。もちろんそのような者の出入りはあるはずもなく、僕は恐怖に打ち震えました。しかしそんなことなどお構いなしに、長男はその「友だち」のことを嬉々として語り続けるのでした。 「どれ長男、抱っこしてあげよう。 […]

ロルウイ

アボリジニの神話に登場する精霊。神と人間の中間に位置するとされますが、見た目は人間の若者とあまり変わらないようです。 アボリジニの神話によれば、大昔ヤムイモはジョン・ウィンダムのSF小説『トリフィド時代』に登場する歩行植物トリフィドみたいに自由気ままに歩き回っていたんだそうです。 だもんで、畑でヤムイモを栽培しようと思っても、連中は収穫前にどこかに蒸発してしまうので、農民各位は学級崩壊したクラスを […]

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

時は20世紀のサンフランシスコ、一人のインタビュアーを前に己の半生を淡々と語るルイから映画は始まります。彼の紡ぎ出す物語たるや実に奇想天外なもので、彼の昔話は18世紀のニューオリンズ、吸血鬼レスタトとの出会いから狂い始めていくのであった……といったかんじのハートフル日陰者ストーリー。モンスターパニックムービーではなく、人間を糧として永遠に生き続けなければならないヴァンパイアの苦悩をつづった陰気で面 […]

育児とオカルト

「七つ前は神のうち」という言葉もあるように、一定年齢に達する前の子どもは異界・霊界・幽冥界といった人外の世に片足を突っ込んだ超自然的存在なのだといわれることがあります。翻って僕は四十だし、霊感もないし、異界との接点や怪奇体験といったものはないに等しかったのですが、現在わが家には3歳と0歳の子どもがいるせいなのか、彼らを介して怪奇な事象に遭遇する機会が増えました。 僕は育児だけではなくオカルトにも造 […]

ツールボックス・マーダー

新婚夫婦の越してきたレトロなアパートは、実は黒魔術にどハマりした変態が独自の魔術理論に基づいて設計したアメリカ版「三角屋敷」だった! アパート内部の隠し部屋を暗躍し、住人を次々に毒牙にかけてゆく殺人鬼! なんと恐ろしい! ……しかしそれにしても、住人の居住空間の延べ床面積よりも広いんじゃないかと思われるほどゆったりした平米の隠し部屋って一体!? アパートの管理人さんも、建物の大きさに対する住人たち […]

蛇神ナーガの化身 伝説の角赤子は実在した!!

(前回から続く) 「うわーッ!」 有角大蛇ヅォン・ドゥーの調理法を調べるため自宅書斎へと足を踏み入れた僕は本棚奥地で購入後積読状態となっていた『UMA事件クロニクル』など手つかずの蔵書の数々を発見し、嬉しい悲鳴をあげたのでした。 時間を忘れて蔵書を読み耽っていると、背後で何やら物音がする。不審に思い振りかえると、先日ずりばいをマスターしたばかりの次男がそばに這い寄り、床に放置していたヅォン・ドゥー […]

歯黒べったり

「のっぺらぼう」のバリエーション。つのかくしを戴いた女性の姿で目鼻がなく、お歯黒のべったりついた口を大きく開いてげたげた笑うというもの。大半は狐狸の化けそこなったものであるとされます。 かような妖怪が生まれる背景として、お歯黒をつけた女性をグロいと感じる男性が当時から少なからずいたということではないでしょうか。男子と女子の美意識の乖離って今でもけっこうありますもんね。たとえばデコネイルとかデコスマ […]

アインシュタインの脳

今なおどこかに保存されているといわれる「アインシュタインの脳」を求め単身渡米したアインシュタイン研究家の杉元賢治教授を追ったハートフルアブラギッシュドキュメンタリー映画。入国審査官に「What’s the porpose of your visit?」と問われて「あいむ、るっきん、ふぉー、ざ、あいんしゅたいんず、ぶれいん!」と元気よく答える杉元教授の雄姿を見よ! 本作の魅力は杉元教授の発散する中年 […]

怪奇! 呪われし輸入食材

話を整理しておくと、いま僕は浜辺で助けた報恩で好みの美女に変じたグロブスターの妻、妖精クルピラが転生・垂迹した緑色の長男ピラ助、そして頭頂から角が生えた次男ヅォン助の四人で生業の門付芸をほそぼそと続けながら帝都東京の片隅でつつましく暮らしているわけです。 で、そういえば次男ヅォン助の角の縁起をまだ詳しく述べていなかったように思うのですが、あらましはこうです。 化生の妻が珍しい獣肉を食べたいというの […]

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